新製品開発・販路開拓物語



1. ナカタ製作所 「エグジモバイラー」

中田 隆男氏ナカタ製作所(代表者:中田 隆男氏)は、1969年、父とともに中田酪農機製作所として創業。その後、機械設備を順次導入し、製缶板金業に転じた。しかし、90年代に入り、仕事量が減少するとともに取引先からの単価引き下げの要請が強く、また、中国からの輸入品の廉価で品質の高さを実感し、このままでは先行きの見通しが厳しいものになるとの危機感を抱きだした。 そこで、中田氏は、製缶板金業を営みつつ、この間の技術力を生かして最終製品を作ろうと考え、知人から車椅子の改良を依頼されたのを契機に、医療用具分野への進出を模索するようになった。

2001年に薬事法に基づく医療用具製造業許可を取得、2002年には、中小企業創造活動促進法に基づき「座ったままでX線撮影ができる車椅子」の事業計画が認定され、以後、本格的に医療用具の開発・製造に着手した。 その後、知人の助力もあって、病院の医師との接点ができ、救急用ストレッチャーが看護士等にとって取り扱いに負担がかかることに着目、軽量で小回りが利き、安定感のある救急用ストレッチャーが作れないものかと思考錯誤しながら試作機を3台作った。しかし、大学病院などでデモンストレーションを行っても反応が悪く、いよいよ開発資金がショートしそうになった。

中田氏は、3号機のデモの際、病院で指摘された10数項目にわたる修正項目全てを充足した第4号の試作機を完成させ、再度、デモを行ったところ、病院に置いてもらうことができた。これが「エグジモバイラー」である。 この「エグジモバイラー」は、ベッド部分の上下等の動きが電動式であり、従来の油圧式と比べ軽量化されており、幅と長さを極力押さえることにより、病院内において小回りが利き安定感のある設計となっているという。また、Cアーム撮影装置での撮影を可能にした画期的なX線撮影用救急ストレッチャーで、X線撮影の障害にならない様配慮されているなどの特徴をもっている。

2005年5月ごろより、病院の現場でのデモンストレーションを行っており、約1年で22台の納入実績を誇っている。1年でこれほど売れたのは良い製品である証明だ、との医療関係者の声もあるという。 東大阪市モノづくりクラスター推進事業『新製品開発・新市場開拓研究会』には、昨年9月に参加され、コーディネーター(サブ・クラスターマネジャー)がサポートしつつ、中小企業・ベンチャー総合支援センター等の協力を得ながら、さらなる販路の拡大を進めている。
中田社長は、「今までの製缶板金のお得意様との取引を大事にしつつ、さらなる技術開発を進めていきたい」とモノづくりに対する熱い思いを語られた。

(エグジモバイラーは東大阪ブランド『オンリーワン』認定製品です)